公正証書作成のメリットと方法
公正証書はその文書の内容について、公証人が証明をしてくれるという制度です。裁判になった場合には大きな証拠ともなりますが、作成すること自体でトラブルを未然に防ぐ効果も合わせ持ちます。特に金銭に関わる契約等については、作成を強くおすすめします。特約によっては、裁判によらずに強制執行を行うことも可能となります。公正証書のご依頼は、文書作成に強い鈴木コンサルへ依頼ください。

公正証書作成のメリットと方法

公正制度および公証人について

公証制度とは私的法律関係の明確化や安定化を図ることを目的として、証書の作成等の方法によって一定の事項を公証人に証明させる制度です。

 

ここでいう公証人とは、公正証書の作成や定款・私署証書の認証、確定日付の付与などを行なう権限のある公務員(国家公務員法における公務員ではありませんが、実質的意義においては公務員と解されています)になります。法務大臣によって任命された者であり、その多くは法曹資格をもつ者となります。

公正証書は、法的トラブルを未然に防止するために有効な制度です。

公正証書の効果について

  1. 公正証書は高い証明力を有しています。法務大臣より任命された、公正な第三者である公証人によって作成された公文書であるため、正しい内容であることが推定され、私人が作成した私文書より強い証明力が働いているとされています。そのため公正証書の内容が裁判で無効とされる可能性はほとんどありません。
  2. 公正証書は強い執行力も有しています。特に金銭の支払を目的とする債務についての公正証書では、債務者が直ちに強制執行に応じることが記載(執行認諾約款)されている場合においては、強い執行力を有します。具体的には債務者が約束に違反して債務を履行しなかった場合には、債権者が強制執行をすることができることとなります。この執行力を有する公正証書を特に「執行証書」といいます。通常は裁判が確定してはじめて有することとなる執行力を、裁判を経なくても得ることができます。
  3. 公正証書は高い安全性や信頼性を備え持つ文書となります。特に債権保全についてはより高い安全性を有し、非常に効果の高い文書となります。
  4. 公正証書という公証人が関与した文書を作成することで、相手方の債務に対する履行を担保することができ、また心理的な負担を与えることによって履行を促す効果もあるといわれています。
公正証書とは、公証人法に基づいた極めて厳格な方式に則って作成された文書をいいます。
 

公正証書の内容

公正証書には次の内容が記載されます。
  1. 全文
  2. 正本であることの記載
  3. 交付請求者の氏名
  4. 作成年月日・場所
 

公正証書全文について

公正証書全文には次の内容が記載されます。
  1. 本旨
  2. 本旨外記載事項(本旨外要件)
 

「本旨」とは、嘱託人(依頼人)が記載を希望する具体的な内容のことです。

 
本旨外記載事項には次の内容が記載されます。
  1. 証書番号
  2. 嘱託人の住所・職業・氏名・年齢
  3. 行政書士等の代理人による嘱託の場合はその旨と、代理人の住所・職業・氏名・年齢
  4. 第三者や立会人がいる場合はその旨やその事由、住所・職業・氏名・年齢
  5. 作成の年月日、場所など、公正証書独特の約束事が記載されます。

 

いくつか作り方の事例も載せていますので、こちらのホームページもご覧ください。

公正証書ホームページ


強制執行認諾約款について

強制執行認諾約款とは次のようなものです。

  1. 公正証書の文言において、相手方が「債務不履行の場合には強制執行を受けても異議はない」旨を認めたものです。
  2. 強制執行認諾約款がない場合は、債務不履行の場合であっても裁判で勝訴してはじめて強制執行が可能になります。
  3. 公正証書に強制執行認諾約款が付けられている場合はより強力な執行権をもつことになり、債権者は裁判をしなくても強制執行が可能になります。
  4. 強制執行が認められるのは、目的が金銭関係のものに限られます。賃金や代金のような金銭の支払いやその代替物等の給付などです。
  5. 目的が金銭債務以外の、不動産の引渡し等である場合には、認諾約款がついていても強制執行をすることはできません。
 

公正証書の保管について

公正証書の保管は次のとおりになされます。

  1. 公正証書の原本は公証役場に保管されます。
  2. 公正証書の保管期間は原則20年ですが、嘱託人の同意があれば5年間に短縮できます。
  3. 公正証書の原本の謄本が2通作成され、1通は正本として作成を依頼された債権者の方に、もう1通は相手方である債務者に渡されます。
  4. 保管期間が過ぎると原本は公証人が目録を作成し、手続きを経た上で廃棄されます。
  5. 保管されている原本は外への持ち出しは禁止されていますが、本人や代理人、または相続人は閲覧することが可能です。
 

公正証書作成をご依頼いただいた場合の段取り

公正証書は次のような流れで作成されます。
  1. 離婚協定書などのように当事者間の合意が必要なものは、当事者間で公正証書に記載される内容について協議を行い、合意する内容を決めていただきます。行政書士のような第三者が依頼により関与する場合もありますが、基本は当事者同士で合意していただきます。
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  3. 依頼される方と行政書士が打ち合わせを行い、合意した内容で公正証書の案を作成します。公証人はあくまでも文書の内容を確認し、本人確認を行った上で法にたがわない文書であることを証明するものです。文書の内容について吟味する立場にはありませんので、行政書士との打ち合わせにおいて十分納得された内容の文書を作成することが重要となります。
  4. 行政書士が公証人と公正証書の形式等について打ち合わせを行い、最終的な文面を作成します。
  5. 相談者の方が直接公証役場に行かれる場合は、公証役場に出向いて公正証書を作成していただきます。行政書士との契約は、公正証書の文面作成で終了となります。
  6. 公正証書の作成を行政書士に依頼される場合は、事前に委任状をいただいた上で、行政書士が公証役場に出向き公正証書を作成します。
  7. 公正証書の謄本をお渡しします。
 

公正証書にできる内容について

公正証書は一般の私文書と比べ、非常に有用性の高い文書となります。
  1. 公証人法で禁じられているもの以外は公正証書を作成できます
  2. 法律行為に関する公正証書であり、売買や賃貸借などの契約書や遺言書などが挙げられます。大きな金額の貸し借りの場合には、必ず作るべきものです
  3. 個人の権利の取得や喪失といったものの事実証明に関する公正証書であり、離婚に関するものや後見制度についてものなどが挙げられます
個人の権利義務に関する文書については、積極的に活用されることをおすすめします。
 

公正証書を作成しなければならないもの

次のケースでは、文書を作る場合は公正証書で作成しなくてはなりません。
  1. 事業用定期借地権を設定する契約の場合~10年以上50年未満の契約であり賃借人保護のための規定がないため、それを補う目的として作成されます。
  2. マンションなどの管理規約について、分譲前に分譲業者が単独で規約を定める場合。
  3. 任意後見契約を結ぶ場合~財産管理を依頼する本人と、本人が後見を必要とされる将来、財産管理を任されることになる任意後見受任者との間で作成します。
  4. 事業のための貸金を保証する場合~2017改正民法によります。
 

公正証書にできない内容について

公正証書にできない内容については次のものが挙げられます。
  1. 法令に違反するもの
  2. 愛人契約などの公序良俗に反するもの
  3. 当事者が未成年者や成年被後見人などの制限行為能力者がした契約のように、取り消すことが出来る法律行為に関するもの
 

公正証書作成にかかる公証人手数料について

公正証書の手数料は、目的の価額(記載される金額)によって異なります。

 

目的の価額と手数料

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  1. 100万円以下の場合は 5000円
  2. 100万円を超え200万円以下の場合は 7000円
  3. 200万円を超え500万円以下の場合は 11000円
  4. 500万円を超え1000万円以下の場合は 17000円
  5. 1000万円を超え3000万円以下の場合は 23000円
  6. 3000万円を超え5000万円以下の場合は 29000円
  7. 5000万円を超え1億円以下の場合は 43000円
  8. 1億円を超え3億円以下の場合は 4万3000円に5000万円までごとに1万3000円を加算します。
  9. 3億円を超え10億円以下の場合は 9万5000円に5000万円までごとに1万1000円を加算します。
  10. 10億円を超える場合は 24万9000円に5000万円までごとに8000円を加算します。
目的の金額の計算の仕方は次のとおりです。
  1. 当事者の一方だけが義務を負う場合はその価額が目的価額になりますが、双方が義務を負う場合は双方が負担する価額の合計額が目的価額となります。
  2. 数個の法律行為が1通の証書に記載されている場合には、それぞれの法律行為ごとに別々に手数料を計算し、その合計額がその証書の手数料になります。
  3. 金銭の貸借契約とその保証契約が同一証書に記載されるときのように、法律行為に主従の関係があるときは、従たる法律行為である保証契約は計算の対象には含まれません。
  4. 任意後見契約のように、目的価額を算定することができないときは、例外的な場合を除いて500万円とみなして計算します。
  5. 法律行為に係る証書の作成についての手数料については、証書の枚数が法務省令で定める枚数の計算方法により4枚(法務省令で定める横書の証書にあっては3枚)を超えるときは、超える1枚ごとに250円が加算されます。
 

公正証書作成にかかる印紙代について

金銭消費貸借契約や売買契約などの公正証書においては、印紙税法に定める所定の印紙代がかかります。
  1. 1万円未満 非課税
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  3. 10万円以下の場合は 200円
  4. 10万円を超え50万円以下の場合は 400円
  5. 50万円を超え100万円以下の場合は 1千円
  6. 100万円を超え500万円以下の場合は 2千円
  7. 500万円を超え1千万円以下の場合は 1万円
  8. 1千万円を超え5千万円以下の場合は 2万円
  9. 5千万円を超え1億円以下の場合は 6万円
  10. 1億円を超え5億円以下の場合は 10万円
  11. 5億円を超え10億円以下の場合は 20万円
  12. 10億円を超え50億円以下の場合は 40万円
  13. 50億円を超えるものの場合は 60万円
  14. 契約金額の記載が無いものの場合は 200円

 

いくつか作り方の事例も載せていますので、こちらのホームページもご覧ください。

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    公正証書と内容証明は効果の高い文書です

    請求や離婚の契約など、証拠として残しておきましょう

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